倒れ掛かる体に、霰は咄嗟に絵恋を支えた。


「絵恋お姉さん……こんなにやつれてしまって見ていられないわ……信介、私看護婦さんに言って、ベットに寝かせて貰えるように手配してくる。

霙、そっちは任せたわ。絵恋さん、さぁ行きましょう。私たちが代わりに祈るから、安心して!」


「で……でも……」


「お姉さん。霰の言う通りにして下さい。手術が無事に成功した時に、お姉さんがそれじゃあ秋雄さんは逆に心配で、また倒れちゃいますよ」


「絵恋さん、こっちは大丈夫。少し休んで……霰、頼むぞ!」


「オーケー! バッチリよ!」


霰は身を翻し、紺色のスカートをふわりと回転させた。


絵恋さんは笑顔向けようと口角を上げようとしていたが、青白く病的で、ただただ辛そうにしか見えなかった。