「……俺は興味を持っただけ。なぜ冷徹と言われた女教皇が罰をくださないんだ?
見守るどころか、手まで貸しているのは何故だ?」
霙をそっと近くに引き寄せ、顔が見えない分、体の動きや頬の感触で感情を読み取りたかった。だが暗闇はそれを容赦なく遮断した。
俺にはそぐわない動作だが、思い切って人差し指で霙の唇をなぞった。
――あいつは誰なんだ……教えてくれ――伝われ!
霙の片手が俺の裾をぎゅっと握り締めた。
リップグロスがたっぷりと塗られた唇が、悟ったように動かされた。相手に会話が読まれないよう、指先で対話をする。
――か・ん・う
動かされた唇は、そう語った。
見守るどころか、手まで貸しているのは何故だ?」
霙をそっと近くに引き寄せ、顔が見えない分、体の動きや頬の感触で感情を読み取りたかった。だが暗闇はそれを容赦なく遮断した。
俺にはそぐわない動作だが、思い切って人差し指で霙の唇をなぞった。
――あいつは誰なんだ……教えてくれ――伝われ!
霙の片手が俺の裾をぎゅっと握り締めた。
リップグロスがたっぷりと塗られた唇が、悟ったように動かされた。相手に会話が読まれないよう、指先で対話をする。
――か・ん・う
動かされた唇は、そう語った。


