「ただいまー! お袋、信介いる? 旅行から帰ってきたぞー」


――秋雄!


足元が絡まりそうになりながら階段を駆け下りる。無事な姿を早く確認しておきたかった。


「あ、秋雄! お帰り!」


「なんだ信介。そんなに慌てて……ああ、おみやげか? 心配しなくてもちゃんとあるからな!」


「信介さん、お母様ただいま帰りました」


ソファーでテレビを見ていたお袋も立ち上がる。


「お帰りなさい! まぁ、二人とも少し焼けたのね? 肌が小麦色……疲れたでしょう? 早く座って」


「絵恋は先に座っていて。部屋に取りあえず荷物を置いてくるから」