俺はあの後、消沈し声色を失ってしまったようになっていた。


心配した張飛はお婆さんを帰し、中華料理屋にファンブレを取りに行ってくれた。そしてまだ無言の俺にそっと手渡し、酒屋の車で駅まで送ってくれた。


感謝の言葉を言おうと口を開いたが、声が出なかった。勿論、張飛に事情は言えない。


次のターゲットが兄貴だなんて。


あいつの情報なんて腐るほどある。幼い頃から一緒だったんだからな……


報告を上げる掲示板に一つ、一つ秋雄の情報が載せられていく。


それはまるで蝋燭の火を消す、風のようでもあった。あいつの命の灯火を消す?


――嘘だ!