張飛には早めにジムを出て貰い、車を用意する手はずになっていた。


俺は紅葉たちが運動を終え、ジムをいつ出るのかを監視していた。紅葉たちの後姿を見届け、駐車場に停めている張飛の元へ急いだ。


「なんですか、この車!」


「仕方ないのよ? 家には配達用の車しか、置けない広さなんだから」


古ぼけた小型トラック。あちらこちらが薄くなり、水色になっていた。サイドには西田酒店と書かれていた。


「……しょうがないなぁ。じゃあ、ちょっと助手席に失礼」


少しだけ高い座席に、重い体をのし上げた。


「瑠璃のマンション近くに停められる場所があるといいんだけどねぇ」