喉が渇く。酒の味がまだ口の中でこびり付いていた。


――あの後どうなったんだ? ぼんやりとしていられない……起きなきゃ!!


布団を蹴飛ばし、飛び起きた。


重い瞼を、口内のねばつきを、顔の油を、全てを清潔にし、ぼやける思考を正常に戻したかった。


「お袋? お袋いるの?」


体を揺らし、階段を下りる。食卓からはトーストや目玉焼き、コーヒーの香りがした。


「信ちゃん、おはよう。気分はどう? 大丈夫そう? びっくりしたわよ、茂みに倒れているんだもの」


キッチンにお袋が立っていた。心配そうに顔を覗き込む。