聞き慣れたボイスに安心して身を預けた。


深い深い暗闇に落ちる。


――


――あはははははは!!!!


この声は!!!! あああああ!!!! 誰かお願い、助けて!!!! あの牙が俺を!!!!


はっと上半身を起こし、目玉をひん剥く。首を動かし、辺りを見渡した。


――見慣れた天井や壁……


俺の部屋? どういうこと? あれからどうしたんだ――


記憶が途切れ途切れで……でもあの異臭だけは鼻にこびり付いている。


指先には布団の感触。そして目線の先には張飛に貰った一輪の薔薇が萎れ、テーブルの上に花びらが幾つか落ちていた。