人生で嗅いだ事も無い異臭を味わったせいなのか、それとも、この血みどろの光景に眼を瞑りたかったのだろうか。


「あははははははっ!!!!」


体が勝手に反応し、闇に落ちる。


耳に残ったのはシスターの高笑いだった。


「信介! 信介! 駄目ねぇ……反応が無いわねぇ。飲みすぎて倒れたのかしら?」


――遠くのほうで聞こえるのは、お袋の声?


「寝かせて置こう。犬飼さん、悪いけど運んで」


「お安い御用でゲス」