「そうだなぁ。持っていくか……! 準備するなら早くしなさい。休日なのに私の為に車を出してくれる、上司思いの犬飼俊樹君がそろそろ来るはずだからな」


「急いで準備するわね。貴方も少しは食べてらして」


冷たい緑茶で口の中をさっぱりさせた。式の後は、もっと良い物が沢山食べれるハズだ。4個目のオニギリを、ぐっと我慢した。


「犬飼さんって誰? 初耳かも」


「信介は知らなかったかな? 腰の低い部下でな。良く運転をしてもらっているんだ」


「へぇー」


――ピンポーン。


言ってるそばから、チャイムが鳴った。


「社長、遅くなりやした。俺っちです。犬飼です」