「1人で先に入会しろって言うの? ……そうねぇ。考えておくわ。そっかぁ~とうとう兄貴の結婚式なのねぇ。可愛い絵恋さんのことは、もう諦めなさいよ」


溶けた氷水をズズズーと、ストローで吸った。


「明日は絵恋さんが友達を紹介してくれるらしいんですよ。その子が可愛かったら諦めます」


「まぁ、あんた! ちゃっかりしてるわねぇ」


山奥にある小さなチャペル。そこで出会うチャーミングな女性……微笑む俺。見詰め合う2人の空間――。


「ちょっとキョチョ! ヨダレが垂れているわよ。話が済んだのなら、私は仕事へ戻るわよ」


「あ、俺も明日の為にお肌の手入れと、スーツを確認しなくては! それじゃ、なにか遭ったら電話やメールを下さいね?」


「分かったわ。それじゃあね」


張飛は伝票を持ち、レジに消えた。