復讐ストーカーゲーム1

 表札は黄ばみ、所々掠れている文字が並んでいる。意識して観察しないと、発見できそうもないような、やる気のみられない表示だった。


そっと会社名を太い指でなぞる。薄っすらと汚れていて、角は捲れていた。


――こんなんじゃ気合入らないだろうよ……やべ! 誰か来た!


5階建てのマンションのエレベーターが、ガタガタと音を立て動き出す。入り口から一旦出て、隣の塀から様子を見ることにした。


――この辺だったら、全部通行人の振りでいけそうだな。


どんな奴が出てくるのかと、待ちわびて注視していると、背後に、ふと、人の気配を感じる。


――こっちは注意していなかった! 隣のマンションも会社なのかな?


恐る恐るゆっくりと振り返ると、そこには太ったおっさんのオカマが立っていた。