復讐ストーカーゲーム1

「お袋。仕事に行ってくるよ!」


台所で洗い物をしている母の後ろ姿に声をかけ、玄関に向かう。


「信ちゃん、早いのね。行ってらっしゃーい!」


重い体でしゃがみ、シューズの靴紐を結んだ。爪先のラーメンのシミが目に入り、ふと睦美を思い出した。


――あの人、毎回殴られているのかな? 


痣、少しは良くなったのかな……愛人はなぜ、暴力を振るうあんな男を好きなんだろう? 卑劣な奴だと、気づいていないんだろうか?


取りあえず、大久保へ向かうか――。


玄関の戸を開け、鍵を閉める。今日はいくらか日差しは弱く、爽やかな風だった。