ピッとメールを消去し、胸の中に気持ちの悪い、黒い霧が立ち込めた。


俺も人々の死に、関わっているって事だよな……近いのに、遠い。不思議な気分だ――。


その心に蓋をするように、携帯を静かに閉じる。するとふと、絵恋が頭に浮かんだ。


そういえば、まだいるのかな? 


全身のスタイルが映る鏡の前に移動をした。太い腕をだし、筋肉をプクリと作った。ぷるん、ぷるんに震え、マシュマロのようだった。


これは脂肪じゃない! 筋肉さ!


次に両手で頬っぺたを叩き、顔を整えた。


よし! 完璧。顔を洗いに下りるか。


「絵恋さ~ん、絵恋さん~、ルルル~絵恋さぁ~ん」