復讐ストーカーゲーム1

 ――あ~ん? なんだって? こんな可愛い信ちゃんを捕まえて、なんてこというんだ! このガキ!


5歳くらいだろうか。こちらを見上げる少女を、身を前屈みにし、目を細く睨む。


――俺は子供にも容赦しないんだからな。


女の子の手を握る父親は、慌てて気まずそうに引っ張り、走り去った。


――ふんっ。俺の勝ちだ。


勝ち誇った笑みを浮かべ、屈めた体を元に戻した。反対側の店がふと、視野に入る。


店の名前は『防犯グッズ屋・孔明』と書かれていた。


――防犯グッズ屋なら、盗聴器ぐらいありそうじゃないか? もしかすると、もしかするとだな。……孔明? また三国志かよ。


自分の嗅覚を信じ、店へと足を踏み入れた。