復讐ストーカーゲーム1

「お袋! ちょっと買い物に出かけてくるから留守番宜しく。午後には戻るから」


「あら、信ちゃん。気を付けていってらっしゃい」


台所の煮物の匂いに惹かれたが、振り切り、玄関を上機嫌で開く。


――うわー眩しいし、ムシムシする。


外は梅雨と夏の狭間で、空気が蒸し風呂のような状態だ。


特に秋葉原は、殆どの道がコンクリート。容赦なく、太陽がアスファルトに照りつけ、人混みの熱気もプラスされた。


――相変わらず、大通りも凄い人混みだ。暑い、暑いぞー! 量販店の電気もきつい! タオルを取り出さないと……。


汗っかきの必需品、温泉宿で持ち帰った、白いタオルをリュックから取り出し、首に巻いた。


――日陰を探そう。どうせ盗聴器屋なんて裏通りに、隠れてんだろう?