力を入れすぎたようだ。ジョッキーの底が、ちょっとだけ欠けた。テーブルにキラリと光った、小さな破片が落ちていた。


「ご、ごめんなさいですぅ! 苺に言ってくるですぅ! 店長にも頼んでみますですぅ!」


彼女は身を翻し、店の奥の事務所へと消えていった。


少々怖がらせてしまったかな? でも考えてみなさい。


毎度通い、ブロマイドだけじゃなく、マスコットやステッカー、あらゆるグッズを買ってあげているじゃないか?


上客の機嫌を取るのも、飲食店の仕事だろ?