久しぶりの見慣れた、灰色の階段を一歩一歩上がる。


出入り禁止にされいるバツが悪い感情と、それでも苺の顔が、ちょっとでも見れるんだという喜びが入り混じり、変な緊張感をあみ出した。


あんな言い方をされても、まだ少しだけ期待をしている自分がいた。


だが近づく度に変な雰囲気が漂う。いつもとは違う冷たい空気だ。


――そうだ。人の熱がない。いつもの活気が感じられないんだ……。


店の前に着いた時には納得した。照明は暗く、CLOSEのプレートがドアに掲げられていた。


――おかしいなぁ。今日は定休日じゃないのになぁ。わざわざ来てやったのに……仕方が無い、明日また来るか。