校長先生は満面の笑みで私に賞を渡した。
これだけならよかったのに、
振り返ると彼が少し口角上げながら私を見ていた。
見下されたくなくて、
顎をすこしあげ、睨んでやった。
だけど彼は全くその腹ただしい笑顔を崩さず、
わたしの横をすり抜けた。
次は、
彼が賞をもらう。
むかつく、
拍手の中、
ズカズカと階段を降りてると、
なんか、いやな予感がした。
『万年2位』
思わず怒って、
爪先をおもいっきり踏んでやった。
彼が『いて…』と
いってる間、
私は逃げるように、
階段を下りて、
クラスの列に戻った。