小さな恋の唄

「ちげーよ!!自分のためだって。授業暇だし、一人で抜けるのもつまんねーからさ。緒方を連れてきたってだけ。だから俺は感謝されることなんて何もしてないの」


口から出てきた嘘を頭の中で、もう一度繰り返す。

・・・うん。おかしくない言い訳だよな。


「嘘つき」

小さな声で聞き取れないほどの声でまゆはそう呟いた。



二人とも喋らずに時間だけが過ぎていく。
まゆはずっと顔にハンカチをあてたまま。


俺はブランコを漕ぎ出した。

キィーキィー

古いブランコは鎖の部分が錆びていて、今にも壊れそうだった。
怖くねぇ・・??これ。
子供の遊具かよ。


「・・あたしもブランコしようかな」

まゆも地味にゆっくり漕ぎ出した。
つーかあんまブランコ揺れてないし。漕ぐの超へたくそ!


「難し・・・・こんなの子供が遊べんの?」

簡単だろこんなの。
笑える・・・