「ここが俺んち。」




降りて目の前に飛び込んできたのは



メイドさんでも付いていそうな、超豪邸




…ではなく。



そこそこ家賃がお高いであろうマンションだった。



なんだか予想に反して普通で呆気に取られてしまった




「……なんだよ、ポカンとして。」



水野さんに声を掛けられハッとする。




「え、あ、いや。思ったよりも普通のマンションに住んでらっしゃるんだなぁ…と」



(普通って言っても並のお仕事をしている方では手のとどかなそうなマンションだけど…)



「なに、こんなマンションじゃ不満、って言いたいわけ?」



「え!?いや違いますよ!
ほら、black lilyの御曹司様となればものすごい豪邸を予想していたので…」



不満なわけがない。むしろ豪邸なんかに住むとなったら


生まれてこの方庶民暮らしの私にしたらきっと落ち着かないだろうと思ったから

なんだか安心した。