試合が終わり、選手がインタビューを受けているところが大きなスクリーンに映し出された。


「きゃーっ!うっちーよっ!かっこいーっ!」


わたしの耳元で楓が叫び、ハッとする。


「…え?あ?」


隣をみると楓はやけに興奮気味だ


(あ…日本が勝ったんだ…)


そして今日の試合で見事なプレーをした(らしい)内村選手がインタビューされている。



「もーっ!最高っ今日来てよかったわー……って、花音大丈夫?顔色悪いわよ?」


楓が心配そうな目でわたしを見ている


「だっ大丈夫!でもちょっとだけ具合悪いからタクシーで帰るね…」


スーツの人と会うから先帰ってて、なんて言えない


(うっ…またも嘘をついちゃった…)


「えーっそれならわたしも一緒にタクシー乗って帰るわよ〜っ花音心配だし」


「あっいやっでも!楓、駅からの方が家近いじゃん!わたしタクシーで直帰したいから!」


(うぅ…楓が心配してくれてるのに…)



またわたしの胸が痛む…



そぉ?とまだ納得してないようだが楓を電車で帰らせることにした