席に戻ると試合はすでに再開していた。


「ちょっと花音〜っどこ行ってたの?携帯も持って行ってないし、心配したんだからぁ!」



席に座るなり楓がホッとした顔でわたしに言う。



(ホットドッグで怖い男の人のスーツを汚した…ことは楓には言わないほうがいいよね…
楓のことだから『わたしも弁償するわ!』とかいいかねないし…)


「う、うん、ごめん!ちょっと迷っちゃって!」


楓に嘘をつくのはものすごく心苦しいんだけど…


(ごめん!楓!)




それからのわたしはというものの


試合後のことで頭がいっぱいで


後半戦はほとんど、頭に入ってこなかった…