朝、目が覚めると一番最初に目に入るのは枕にうっすらと残る涙のあと。


最初はそれが嫌で嫌で仕方がなかったが、もう何ヵ月とか何年とか月日が過ぎていくと、もうどうでもよくなった。

それと共に、自分の感情が段々表に出なくなっていったのも自覚した。



ベットから降りて薄手カーディガンを肩に羽織る。
夏とはいえ6月の初夏、朝はまだ肌寒い。


寝室からリビングに移動してポットでお湯を沸かす。
その間の時間、取り合えずテレビをつけてニュースを見る。

厚化粧をした女性アナウンサーが営業スマイルを浮かべて新着のニュースを読んでいた。

殺人事件や誘拐事件を、普通の情報と同じような顔をしてスラスラと話しているのは見ていて不快だった。

ポンと、ポットがお湯が沸いたことを知らせる音がして、早々にテレビをけした。




紅茶のティーバッグをカップに入れてお湯を注ぎ、充分色と薫りが出た来たらティーバッグを取りだして砂糖をたっぷりと入れる。

太る太ると思いながらもこれだけは毎朝止められずにいる。


甘ったるい紅茶を飲みながら、今日の予定を確認するため手帳を開いた。













都立櫻漓学園、中学時私が絶対通いたくなかった学園が私が通う学校。

綺麗に建てられた校舎、体育館、グラウンド、部室、協会。

全てが嫌いで嫌いで仕方がない。

何故ならこの学園に通うことも親に決められた。



それが私とって凄く辛くて。