「はーい、じゃあ今日は、この前実施した中間試験の英語返しますねー」


「うわぁー」「マジかよー!」


騒がしい教室の中で、先生が持っているテストの答案が返されるのを、俯きながら待つ、黒髪ロングヘアーの、日本人形のような少女が一人。


「桜木花(サクラギ ハナ)ー。」

「はい」

そう呼ばれた少女は、すっと立ち上がり、答案を受け取りに行き、すっと自分の席に戻る。


「桜木さんってこの前国語でクラス最高得点だったらしいよー」

「え、マジで?」

「何でも、お父さんが華道とか、書道とか、そういうの教えてるんだって」

「そうなんだー、あ、他の教科も90点代らしいよ」

「やばっ、天才じゃん!やっぱ英語も高得点なのかな?」

「てかあの子、なんか近寄りがたいよね、全然喋らないし。」


クラスの女子達がヒソヒソ話してるのをよそに、少女はそっとテストの答案の点数を確認した。