ノスタルジア~喫茶店を訪ねて~

 「あの時、私先生にひどいことを言ってしまった。先生が生徒を好きになってはいけないって。本当は、私嫉妬していた。先生が愛している生徒を。私には向けられない愛を憎んでいた」
「ごめんなさい。先生。そして、ありがとう、先生」
 止まっていた時間が、ゆっくりと進むのを感じた。先生は、何か言いたそうにしていたが、涙が溢れ、言葉が出てこないようだ。
 過去の時間は、渦を巻いて、穴に消えていった。
「さよなら、先生」
 切なく風が、鳴いていた。