私は彼に愛されているらしい2

気持ちを口から出している間にいつの間にか有紗は俯いていたらしい。舞の言葉にゆっくりと顔を上げて彼女の顔を見た。

舞は笑うでもなく、呆れるでもなく、普通の出来事だと言わんばかりに淡々としている。そしてその言葉通りの表情で有紗を見ていた。みちるは2人のやりとりを見守っているようだ。

「相手にとったら時間をかけて得た結論かもしれないけど、言われた側にしたらいつだって急なもんよ。でもいくつかあったシグナルに有紗が気付けていたら何か変わったかもね。」

「…私が悪いんでしょうか?」

「悪いっていうかさ。でも気付けていたら究極にはならなかった筈だけどね。」

そう言われて今度は有紗が唸りながら視線を落として悩んでしまった。

あっただろうか、そう心の中で呟いてみる。

今まで友情以上の何かを感じたことなんてなかったのだ。だからどれだけ考えても大輔から好意を感じさせるような出来事に心当たりが無かった。

気付けなかった、それは有紗が鈍いからなのだろうか。でもそう言われても。

「お互いに相手がいても2人で会ってたってことはさ、ずっと友達以上の場所にはいたってことでしょ?ちょっと考えれば予期できたことじゃないかって思うのよ。」

「…はい。」

また痛いところを突かれ何も言い返せなかった。

それは友達や今までの彼氏にも散々といっていいほど言われたことだ。とかく何かあればまとわりついてくる大輔の名前に代々の彼氏は良い顔をしていなかった。

でも有紗としては浮気をしたことはないし、いつも大輔より彼氏を優先させてきた筈だ。でもそれは相手に伝わらず多くは大輔との縁切りを申し出られてきた。

自分たちは気が合う、それ以外の何物でもなかったから別にいいじゃないかと跳ね返していたのに。やっぱり周りから見たら変な、危うい関係だったということか。

そんなつもりは無かったと本人がいくら言っても伝わらなかったのは少なくとも大輔からの特別な思いを周りが感じていたからだったのかもしれない。

「だから要は有紗がどうしたいかよ。好きか嫌いか、どっち?」

「え?」

舞からさっきまでの冷静さは消えて問い詰めるような姿勢に変わっていた。しかも目が座っている。

「え?」