私は彼に愛されているらしい2

やり直したいと言ってくれた大輔のことを大輔自身をみて決めてきたが、そこに沢渡の姿は無かったのだろうか。

目を泳がせながら有紗は考える、答えるつもりがあると分かっているのか沢渡は無言のままの有紗を急かそうとはしなかった。

無意識の内に比べた筈の理由を浮かび上がらせる。

選んだ理由は一体どこにあるのだ。

「…ハッキリとは分かりません。でも…私は大輔の手を取りたいと思ったんです。」

もっと近付いて感じていたい、それは有紗が最近になって強く思うようになったことだった。

何か嬉しいことがあったら一番に話したい、今日あった出来事を聞いてほしい、同じ時間を共有したいと自然と思うようになってきたのだ。

横顔でもいい、見ているだけで嬉しくなるような気持ちになったのだ。

「大輔と一緒にいたいって…そう思ったんです。」

手を繋ぐだけでこんなに幸せな気持ちになれるなんて知らなかった。

こんなに心が安らぐ時間があるなんて知らなかったのだ。

「それは分からないんじゃなくて…立派な理由でしょ。」

沢渡にそう言われ有紗は手元の指輪を優しく撫でた。

有紗の中にも、そして他人に見える形でも大輔は常に有紗の傍にいる。

「結局また俺は男として見てもらえずにいい人どまりってことか。」

大きく息を吐きながら沢渡はステアリングにもたれるようになだれ込んだ。

その目は寂しげで暗がりの景色を映している。

「沢渡さんは男の人ですよ?」

「だったら普通2人きりになる車に乗ってこないでしょ。」

「それはあれですけど、私には男の人でしたよ。」

「…どうだか。」