視線を宙に向けて職場を思い出すように話す大輔が大人に見えて有紗は切なくなった。全て自分で選んだこと、大輔にはそういう覚悟があると知っていたけど時々羨ましくも妬ましくもなる。
自分もそこまで大人になりたいと心の底ではそう思っているのだ。
「大輔って大人だね。」
素直な気持ちを吐露して有紗は水を飲んだ。
「有紗だって変わらないだろ。俺はお前の根性に感心するよ。」
「根性?なんか泥臭い。」
「悪い悪い、バイタリティか?カッコいいと思う。」
「えー?」
疑いの眼差しを向ける有紗に大輔は苦笑いをした。
「男社会の中で胸張って堂々と仕事してんだ。時には張り合って、従って、引っ張っていかなきゃいけない。並大抵の精神じゃやっていけないんじゃないか?」
「でも仕事ってそういうものじゃ…。」
「その割り切りがカッコいいって言ってんの。」
テーブルに腕を乗せて体重をかけながら身を少しだけ乗り出す。大輔のその表情からどうしようもない愛情が感じられて有紗は思わず顔を赤くしてしまった。
「そんなに褒められても…困る。」
「あはは。」
それなりに落ち着きを持った独身男性から思わせぶりな態度をとられたら、少なくとも相手のいない独身女性は期待してしまうだろう。
有紗の素直な反応に大輔が楽しそうに笑った。昔から良いところは良いと褒めてくれる大輔に何度救われたか分からない、それは有紗だけでなく周りの友人も皆そうだった筈だ。
「大輔は変わんないね。」
「それは良い意味でか?」
「あはは。勿論!」
「お待たせ致しました、前菜の盛り合わせでございます。」
自分もそこまで大人になりたいと心の底ではそう思っているのだ。
「大輔って大人だね。」
素直な気持ちを吐露して有紗は水を飲んだ。
「有紗だって変わらないだろ。俺はお前の根性に感心するよ。」
「根性?なんか泥臭い。」
「悪い悪い、バイタリティか?カッコいいと思う。」
「えー?」
疑いの眼差しを向ける有紗に大輔は苦笑いをした。
「男社会の中で胸張って堂々と仕事してんだ。時には張り合って、従って、引っ張っていかなきゃいけない。並大抵の精神じゃやっていけないんじゃないか?」
「でも仕事ってそういうものじゃ…。」
「その割り切りがカッコいいって言ってんの。」
テーブルに腕を乗せて体重をかけながら身を少しだけ乗り出す。大輔のその表情からどうしようもない愛情が感じられて有紗は思わず顔を赤くしてしまった。
「そんなに褒められても…困る。」
「あはは。」
それなりに落ち着きを持った独身男性から思わせぶりな態度をとられたら、少なくとも相手のいない独身女性は期待してしまうだろう。
有紗の素直な反応に大輔が楽しそうに笑った。昔から良いところは良いと褒めてくれる大輔に何度救われたか分からない、それは有紗だけでなく周りの友人も皆そうだった筈だ。
「大輔は変わんないね。」
「それは良い意味でか?」
「あはは。勿論!」
「お待たせ致しました、前菜の盛り合わせでございます。」



