私は彼に愛されているらしい2

傍目から見たらきっと自分と大輔もそう見えるのだろう。

何度誤解されたか分からない2人の関係は理解されないことが多い、だからといって大輔との交友を止める理由にはならなかったのは不思議だと改めて思った。

そういや舞にもよく理解できないと言われた気がする。

そんな事をぼんやりと考えながら何度も訪れたことのある目的地に辿り着いて思考を閉ざした。店の外に立つだけでいい匂いがしている。

「いらっしゃいませ。」

いつもなら行列が出来るこの店も、晩ご飯に少し早い時間だからか店内はまだ待ちが出るほどの賑わいではなかった。

大輔の今日の気分は酒じゃなくてご飯らしい。

「何名様ですか?」

明らかに1人で乗り込んでいるのに優しい店員さんは一応の確認をしてくれた。少し心が荒んでいる時は聞かれても見れば分かるだろうと苛々するが、今日はそんなこともない。

「えーっと…連れが来ているかもしれないんですけど。」

店員に答えようとしたとき、奥で手を挙げてここだと合図する大輔を見つけて言葉を止める。同じ様に振り返した有紗と大輔を見て店員は一歩引いて手を差し出した。

「どうぞ。」

にこやかに頭を下げる店員に会釈をして有紗は大輔のいる場所に向かう。やはり考えたことは同じで大輔も適度に手を抜いた服装で座っていた。

「ごめん、遅れた?」

「いや。何にする?」

座るなりメニューを出され、有紗はカバンや上着を片付けながら視線だけメニューに落とす。ここはお気に入りのイタリア料理店、リーズナブルでも味はピカイチと評判のお店で雑誌にもよく紹介されていた。

並ばずに座れるのは初めてかもしれない。

お酒が好きな2人は料理に合わせてオススメを飲むのが大好きだった。ここはアルコールの品ぞろえもよく、チーズ嫌いの人以外ならとりあえずこの店に連れて行けば間違いないといわせる程の店にすっかり惚れこんでいる。

「えっと…あ、今日のコース美味しそう!2名からだって、大輔どう?」

「じゃあ、それにしよう。」