私は彼に愛されているらしい2

いや、きっとそれ以上だ。

駄目なら駄目でもいい、そんな気分にはなれないし次に切り替わる選択肢がない。しかし自分が大輔にすがり付こうとしているのかでさえもよく分かっていないのだ。

自分が何をしたいのかも見付かっていない。

「ビューラー…。」

伸ばした手が微かに震えているのが分かる、そして自分の手が冷たくなっていることにも気が付いた。

どこに行こうとしているのだろう。

それは物理的な話じゃなく心理的な話、結局有紗は自分の中で答えを導き出せずに大輔に力を借りることにしたのだ。

会えば何か変わるかもしれない、何か見えてくるかもしれない。

大輔にとっては迷惑な話かもしれないが会って自分の気持ちや感覚を確かめたかった。

逃げたくないと思ったから。

「自分で選んだ道。自分で選んだこと。」

息を吐いてそう繰り返し、有紗はなるべく無心に準備を進めていこうと試みる。

有紗の中で嬉しかったことは大輔に会う為にオシャレをしようとする自分がいたことだった。

損得を考えずに当たり前のように着る服に悩んだり可愛くしようと前向きな動きをした自分に安心している。大輔を好きな気持ちは変わっていないのだと本気で嬉しかった。

「よし、これでオッケー。」

髪形もメイクも服装も、全部自分なりに可愛らしく出来たと思う。あとは大輔を待つだけ、そう思っていたら調度いいタイミングで携帯が音を鳴らした。

「着いた。」

短い大輔からのメールだ。

その文字を見るだけで一気に緊張が走り深呼吸が必要になったが有紗はすぐに返事をした。