「…これ、いつもと変わんない。」
少し前の大輔からのメールと見比べて有紗は眉を寄せた。文面も内容も定型文かと思うくらい今までと全く変わらないことに少し不満になる。
心がざわついたけど、よくよく考えたらあの電話以来特に大輔からなんの連絡もなかった。やっと来た連絡がこの誘いのメールだ。
愛想のなさもいつも通り、これはつまりプロポーズ事件のことは記憶にないんだと有紗は静かに理解した。
「なんだっつーのよ。」
散々振り回して置いてこういうオチかと舌打ちしたくなる。でもこれで拒む理由はなくなった。
大輔と飲むのは楽しい、それにあの結婚式に出席していた他の友達の近況も知れてそれなりに刺激をもらえるのもいいと思う。少し落ち着きのないこの気持ちも会って何でもなかったと確認したら静かになるだろう。
そう考えたら気分が上がり今週の頑張りを褒める意味でもいい気晴らしになると楽しみになったくらいだ。
“空いてるよ。”
短い返事を受けて提案が来るのはおそらく21時を回ったあたりだろう。研究職として工業機械の開発設計を仕事にしている大輔も同じ様に残業の毎日で夜は遅い。
「さ。もうひと踏ん張りしていこうかな。」
鏡の前で伸びをして短く息を吐く。
お互い土日がしっかり休める会社で良かったと何度頷きあっただろう、就職活動の際に聞いた先輩たちの話は大いに役に立った。
「とりあえずテッペンから受けていけ。受かる受からないは時の運だ、ダメ元で大手にエントリーしろ。」
この言葉を真に受けてダメ元で受けた一流企業に採用された、やってみるものだと有紗はこの時ほど実感したことはない。おかげで今の生活が出来ているのだ。それは大輔も同じだった。
とはいえ連日の残業続きに参っていない訳がない。土曜日の夜まではだらだら過ごすことが殆どだ。
大輔との約束なら気を遣うこともないだろう、だから当日は特にめかしこまずに普段それなりの格好で有紗は家を出た。
電車に揺られて3駅、人が多くなった駅で降りるとまっすぐに指定された場所に向かう。さすがに土曜の夕暮れ時は人が多かった。
特に恋人同士が多い気がするのは多分自分が気にしているからだろうと有紗は思う。友達が恋しい時は友達同士で歩いている人が目についたものだ。今はシングルとして恋人がいる人が羨ましい、そんなお年頃なんだと苦笑いしてしまう。
少し前の大輔からのメールと見比べて有紗は眉を寄せた。文面も内容も定型文かと思うくらい今までと全く変わらないことに少し不満になる。
心がざわついたけど、よくよく考えたらあの電話以来特に大輔からなんの連絡もなかった。やっと来た連絡がこの誘いのメールだ。
愛想のなさもいつも通り、これはつまりプロポーズ事件のことは記憶にないんだと有紗は静かに理解した。
「なんだっつーのよ。」
散々振り回して置いてこういうオチかと舌打ちしたくなる。でもこれで拒む理由はなくなった。
大輔と飲むのは楽しい、それにあの結婚式に出席していた他の友達の近況も知れてそれなりに刺激をもらえるのもいいと思う。少し落ち着きのないこの気持ちも会って何でもなかったと確認したら静かになるだろう。
そう考えたら気分が上がり今週の頑張りを褒める意味でもいい気晴らしになると楽しみになったくらいだ。
“空いてるよ。”
短い返事を受けて提案が来るのはおそらく21時を回ったあたりだろう。研究職として工業機械の開発設計を仕事にしている大輔も同じ様に残業の毎日で夜は遅い。
「さ。もうひと踏ん張りしていこうかな。」
鏡の前で伸びをして短く息を吐く。
お互い土日がしっかり休める会社で良かったと何度頷きあっただろう、就職活動の際に聞いた先輩たちの話は大いに役に立った。
「とりあえずテッペンから受けていけ。受かる受からないは時の運だ、ダメ元で大手にエントリーしろ。」
この言葉を真に受けてダメ元で受けた一流企業に採用された、やってみるものだと有紗はこの時ほど実感したことはない。おかげで今の生活が出来ているのだ。それは大輔も同じだった。
とはいえ連日の残業続きに参っていない訳がない。土曜日の夜まではだらだら過ごすことが殆どだ。
大輔との約束なら気を遣うこともないだろう、だから当日は特にめかしこまずに普段それなりの格好で有紗は家を出た。
電車に揺られて3駅、人が多くなった駅で降りるとまっすぐに指定された場所に向かう。さすがに土曜の夕暮れ時は人が多かった。
特に恋人同士が多い気がするのは多分自分が気にしているからだろうと有紗は思う。友達が恋しい時は友達同士で歩いている人が目についたものだ。今はシングルとして恋人がいる人が羨ましい、そんなお年頃なんだと苦笑いしてしまう。



