話に盛り上がりが出てきたのか最初は控えめにしていた声量が少しずつ解放されつつあるようだ。
有紗は腕を組んで天井を仰ぐと呆れたように大きく息を吐く。声の主は庶務の仕事を担当している西島と秋吉だった。
雰囲気や声を聞く限りだとどうやら2人だけしかいない様で、化粧直しのついでに始まった世間話らしい。
化粧直しという事はだらだらここに居座るつもりなのだなと有紗は呆れ顔になった。
「持田ねえ…東芝さんや君塚さん、やたらといい男に囲まれて酔ってるっての?でもあの子彼氏いるじゃない。」
「ああ、チャラ設計士の佐渡でしょ?それがさ秋吉、どうやらそれも違うらしいのよね。」
「はあ?」
「あの子の男、例の指輪の彼氏は社外なんだって。つまり佐渡は浮気相手てこと。」
西島の発言に驚く秋吉の嬉しそうな悲鳴が聞こえてくる。
明らかにそれは他人の秘密を暴いて喜んでいる悪趣味な声だと有紗は眉間にしわを寄せた。
「なにそれ、有り得ないでしょ。近場で堂々とやっちゃう?」
「だって設計士様は胆が座ってるからね。」
カチャカチャと鳴る音はきっとアイライナーかマスカラを探している音なのだろうと心静かに思う。
ああ、鬱陶しい。
いつかの記憶も重なって有紗は自分の内側から沸々と上がってくる黒い感情に支配されそうになった。
つい最近ではいつこんな場面に出くわしただろうかと考えれば、いつかの合コンを思い出す。
決めつけからの笑い者、いつもその対象になりやすい自分にほとほと嫌気がさしてくるが残念ながら有紗は自分のことが嫌いになれない性格なのだ。
そして言われたままで逃げ出すつもりも毛頭ない。
こういった場面に何度もぶつかっては自分の思うように生きてきたつもりだった。
有紗は腕を組んで天井を仰ぐと呆れたように大きく息を吐く。声の主は庶務の仕事を担当している西島と秋吉だった。
雰囲気や声を聞く限りだとどうやら2人だけしかいない様で、化粧直しのついでに始まった世間話らしい。
化粧直しという事はだらだらここに居座るつもりなのだなと有紗は呆れ顔になった。
「持田ねえ…東芝さんや君塚さん、やたらといい男に囲まれて酔ってるっての?でもあの子彼氏いるじゃない。」
「ああ、チャラ設計士の佐渡でしょ?それがさ秋吉、どうやらそれも違うらしいのよね。」
「はあ?」
「あの子の男、例の指輪の彼氏は社外なんだって。つまり佐渡は浮気相手てこと。」
西島の発言に驚く秋吉の嬉しそうな悲鳴が聞こえてくる。
明らかにそれは他人の秘密を暴いて喜んでいる悪趣味な声だと有紗は眉間にしわを寄せた。
「なにそれ、有り得ないでしょ。近場で堂々とやっちゃう?」
「だって設計士様は胆が座ってるからね。」
カチャカチャと鳴る音はきっとアイライナーかマスカラを探している音なのだろうと心静かに思う。
ああ、鬱陶しい。
いつかの記憶も重なって有紗は自分の内側から沸々と上がってくる黒い感情に支配されそうになった。
つい最近ではいつこんな場面に出くわしただろうかと考えれば、いつかの合コンを思い出す。
決めつけからの笑い者、いつもその対象になりやすい自分にほとほと嫌気がさしてくるが残念ながら有紗は自分のことが嫌いになれない性格なのだ。
そして言われたままで逃げ出すつもりも毛頭ない。
こういった場面に何度もぶつかっては自分の思うように生きてきたつもりだった。



