明らかに様子のおかしい有紗を皆が目を細めて見送っていく。
「もっちー。」
設計端末の近くを通って大部屋から出ようとする有紗を呼び止めたのは図面を片手に端末に戻ろうとする沢渡だった。
自分の失敗からの居心地の悪さでまた心が重たくなる。
「売店行くならコーラ買ってきて。ゼロの方ね。それ以外はイヤ~。」
逸らすようにしていた顔を上げるとニコニコとしたいつも通りの変わらない笑顔を向ける沢渡がいた。
よく分からないといった表情で瞬きを重ねる有紗に少し優しい表情を向ける。
「宜しく。」
改めて出された優しい声、そして少し身を屈めて有紗にだけ届くくらいの小さな声で囁いた。
「化粧ポーチもってっていいから。」
目を大きくして反応する有紗は言葉が何も出てこない。
「はい、いってらっしゃーい。」
有紗の体をくるりと半回転させると、沢渡は動かない有紗の背中を押して歩くように促した。
勢いに任せ働かない頭のまま部屋を出れば扉が閉まるのを背後に聞く。
オートロックがかかった音を聞きながら有紗は1つのことに気が付いた。
沢渡が欲しいといった物は少し遠い売店にしかない、そして化粧ポーチを持って行ってもいいということは。
「宜しく。」
さっき見たばかりの沢渡の顔が脳裏に浮かぶ。今頃になって優しさが伝わり有紗の目が熱を帯び始めた。
ここじゃいけない、そう思って口元に力を入れながら足早にロッカールームを目指す。
泣いてもいいのだと、それで気持ちを切り替えて戻って来いと、そう言っていたのだ。
「もっちー。」
設計端末の近くを通って大部屋から出ようとする有紗を呼び止めたのは図面を片手に端末に戻ろうとする沢渡だった。
自分の失敗からの居心地の悪さでまた心が重たくなる。
「売店行くならコーラ買ってきて。ゼロの方ね。それ以外はイヤ~。」
逸らすようにしていた顔を上げるとニコニコとしたいつも通りの変わらない笑顔を向ける沢渡がいた。
よく分からないといった表情で瞬きを重ねる有紗に少し優しい表情を向ける。
「宜しく。」
改めて出された優しい声、そして少し身を屈めて有紗にだけ届くくらいの小さな声で囁いた。
「化粧ポーチもってっていいから。」
目を大きくして反応する有紗は言葉が何も出てこない。
「はい、いってらっしゃーい。」
有紗の体をくるりと半回転させると、沢渡は動かない有紗の背中を押して歩くように促した。
勢いに任せ働かない頭のまま部屋を出れば扉が閉まるのを背後に聞く。
オートロックがかかった音を聞きながら有紗は1つのことに気が付いた。
沢渡が欲しいといった物は少し遠い売店にしかない、そして化粧ポーチを持って行ってもいいということは。
「宜しく。」
さっき見たばかりの沢渡の顔が脳裏に浮かぶ。今頃になって優しさが伝わり有紗の目が熱を帯び始めた。
ここじゃいけない、そう思って口元に力を入れながら足早にロッカールームを目指す。
泣いてもいいのだと、それで気持ちを切り替えて戻って来いと、そう言っていたのだ。



