私は彼に愛されているらしい2

駄目だ。もう全てが駄目になったような気がして有紗は動揺していた。

今日もし朱里との約束が無かったらどうしただろう、それを考えると体も心も震えた。

電車は揺れてぐるぐる渦巻いたままの有紗を目的地へと運んでくれる。

どれだけ気分が滅入っていても体は勝手に動くもので、目的の駅に着けば有紗は立ち上がり電車から降りて待ち合わせ場所へと足を運んだ。

既に朱里は到着していたらしく、手を振って迎えてくれる姿に有紗の気持ちが和らぐ。

「有紗!久しぶりー!」

「朱里おまたせ!」

「わあ~変わってないと安心する!」

「何それ。1年会わなかった位じゃ何も変わんないってば。」

「そうでもないよ?とりあえずご飯食べにいこっか。」

学生時代と変わらず明るく元気な朱里はお腹をさするような仕草をして早めのランチを促した。

弁護士になった筈だったがうまくオンオフの切替が出来ているようで羨ましく思う。

有紗が頷けば2人は朱里が気になっていたというスペイン料理の店へ向かった。

「今日は散財だ!ストレス解消するわよ!」

「あはは。おー!」

朱里のパワーにつられて有紗も拳を突き上げる。

店に着いて注文すれば、たちまちにガールズトークは始まりまずは近況報告から順立てすることになった。

「は?」

有紗が大輔と付き合っていることを告げれば朱里の目が丸くなる。

「成程、大変だね。」

仕事の話に戻れば寄り添ってくれていたのだが。

「はあ?」

大輔とのいざこざの話になれば不機嫌な表情に変わって眉を寄せた。