私は彼に愛されているらしい2

しかしまるで退屈しのぎの様に扉を開いたり閉じたりを繰り返し、どこか熱心さからは遠い様子が窺える。

「もう1つの場所もご案内しますね。」

ある程度見終わった物件を後にすると営業マンの運転で移動し、今度は空いたばかりの新築物件を見ることが出来た。

ここもさっきと条件は同じで駅からは近い。

「やっぱ新築だと廊下の広さとかスイッチが違うんだな。」

「はい、そこは年代によって流行が現れていますね。でもどちらも住み心地はいいと思いますよ。」

大輔と営業マンが会話をする中、有紗はまたもぼんやりと部屋を見渡していた。

ここから大輔との生活が始まる。

「やはり家族が増えますと1部屋欲しくなりますからね。」

「そうですね、いずれ子供も欲しいですし。」

2人の会話 はこれからを見ていた、でも有紗はそれを聞き流している。

好き勝手に言って。

誰が生むと思っているのだろう、その時どれだけ女が苦労すると思っているのだろう。

何も知らないくせに好き勝手に言って。

そんな黒い感情が芽生えた自分にうんざりもしたが、止められなかった。

口にはしない、だから思うだけなら自由だろう。

多少の不満さが顔に出ていたとしてもそんなのは愛嬌だ、ひねくれた考えが浸食していくのが分かった。

「有紗、どう思う?」

「うん、キレイで住みやすそう。」

「ありがとうございます。」