私は彼に愛されているらしい2

「…えっと。これから、ですかね。」

苦笑いではぐらかすが、みちるは大きな目で瞬きを重ね納得の声をとりあえず漏らした。あからさまな意味有態度に自分でも嫌になりそうだ。

みちるの愛車に乗り込むとドアを閉めるなり言いにくそうに運転席から声がした。

「忙しいからってことは分かるんだけどさ。…もしかして有紗は乗り気じゃなかったりする?」

「えっ?」

「あ、ごめん。勘違いだったら申し訳ないんだけど、なんか時間かかってるなーと思って。だって去年の暮れからずっと言ってたでしょ?」

返す言葉が見つからず有紗は苦笑いを浮かべて視線を窓の外の景色へ映した。

それはつまり図星であると言ったも同然な反応 で、尋ねたみちるも困ったような笑みを浮かべて言葉を探す。二人の沈黙を助けるようにエンジンが音をたてて動き始めた。

暖機の為に車は少しの間動かない。

「私さ、本当は結婚することに抵抗があった時期もあって…少し揉めたんだ。」

「えっ?竹内さんとですか?」

「うん。」

信じられない、ただその思いだけで有紗は目を見開いたままみちるの次の言葉を待った。

「色々と手続きが面倒でね。自分が思うように時間が使えなくて苛々したりして、投げ出したくなっちゃったのよ。お金もかかるしさ。」

「…はい。」

「結婚て面倒くさい、女の方ばっかり負担が大きい気がするって言ったら男の方が背負う責任が重いんだって言い合いになって。 」

「そんな…責任だなんて。」

「ね?何それって話でしょ?でも今の私には理解できないところがあって。」

懐かしいことを話すみちるの遠い目に憧れつつも有紗は強く頷いて同意した。