私は彼に愛されているらしい2


「俺、ああいう上っ面で中身がドロドロ粘着質な人間は嫌い。1人じゃ何も出来ないくせに集団を作るのがやたらうまく見せる奴のすることは優しさの欠片もないね。」

「…おお。東芝さん、口から黒いセリフがガッツリ出てきてます。」

多少圧倒されながらも声に出したが、全身からもまがまがしいほどの黒いオーラが放出されていますとはさすがの有紗も続けられなかった。

「いい話聞かないしな、あの人。」

「そういえば東芝さんって噂系が好きでしたよね。どこから仕入れてくるんですか?」

「仕事サボってる奴らの背後に立てばだいたい耳に入ってくる。」

「…ああ、成程。」

「割におもしろい。」

「はい、好きそうですもんね。」

「8割方当たってるから尚更だな。火のない所に~ってやつだろうね。皆見て無いようで見てるし、聞いて無いようで聞き耳を立ててる。無関心なフリしている奴ほどそういうのに詳しい。だろ?」

片眉を上げて意地悪そうに微笑む東芝はまさに自分のことを指しているのだと思わせた。

確かに東芝は何にも無関心なようで実は誰よりも噂話に詳しく、有紗でさえもワイドショーかと突っ込みたくなることは多々あったのだ。

女子みたいだと思っていることは死んでも口に出来ないなと有紗は苦笑いをした。

「でも私はあまり噂話聞いたことないですね。舞さんから聞くくらいでしょうか。うーん、たまに会った時に西島先輩とかから聞くくらいですね。」

視線を上にして考えて見るものの有紗が自分で集めた話なんてそんなに無い、というか無い。

「皆さんどこから仕入れてくるんですかね。」

有紗のその言葉に目を大きくすると、東芝は遠慮なく目を細めて軽蔑に近い眼差しを有紗に向けた。しかし強烈なマイナス視線に気付かない彼女は変わらずに悩んだままだ。

「やっぱ持田さんはテキスト人間だな。人の良いところばっか見てると自分が潰されるぞ?悪いところも気付けるようにならないと生き残れない。」

「え?」