私は彼に愛されているらしい2

「おおっ?持田さん僕より早いじゃん。」

「おはようございます、君塚さん。」

端末で図面を広げていると見つめて数秒で女性陣を腰砕けにする瞳を大きく広げた君塚が近寄ってきた。

「昨日早く帰ったからー?」

「はい。」

短い返事をする表情はやる気に満ちている。昨日十分に休めた分、気持ちも体も軽くなり気分転換に成功したのだ。

「まあ、その顔だと気にしなくていいのかな?」

「え?」

「はいコレ、奥さんからの差し入れー。」

そう言って有紗に差し出してきたのは君塚夫人が作るいつものお菓子だった。

「わ!ありがとうございます!」

「いつもありがとねー。」

「こちらこそですよ!」

袋の中を見るとチーズタルトであることが分かり有紗のテンションは更に高まる。

仕事意欲がますます沸いた有紗は気合を入れて業務に励むことにした。

周りがどんどん出社していく中、挨拶も軽く目の前の業務を進めていく。東芝が来るころには大体の作業が終わり、とりあえずの進捗状況を報告して改めて完成した報告書を提出した。

「東芝さん、確認お願いします。」

「分かった。」

自席で図面を睨んでいた東芝に渡すとすぐに確認作業にとりかかってくれるようで有紗は真向かいにある自席に座る。

マグに入った温かい紅茶を飲みながら目の前で作業する東芝を見つめ、自分の中で埋もれていたかもしれない気持ちを探してみた。