私は彼に愛されているらしい2

そういえば少し前はやたらと結婚ばかり意識していたが、今となっては遠い記憶のようだ。

まだ始まったばかりの大輔との関係は先が全く読めない。

そして有紗はまたおにぎりを頬張った。

やっぱりまだ、食欲はなかったようだ。




彼氏が出来たのはいつ以来だっただろうか。

合コンでも紹介でも、良くも知らない内から付き合い始めることによって最初は何かしら心躍るものがあった。

それは良いことでもあるし、悪い部分が見えて気持ちが落ち着かないという時にも同じ様な状況になることから一概に楽しいことばかりではない。

それでも新しい何かが始まった時は生活にハリがでてそれなりに充実していたような気がする。

しかし今回の相手はかつてからの友人である門真大輔だ。

正直、良いも悪いも熟知している為に感情の起伏なんてものは皆無。

よって平日は今までと何も変わりなかった。

だってお互いに忙しい。

残業続きの毎日だし、仕事でも趣味にしても自分のことに集中していたかった。

ただ1つ変化があったとすればメールのやり取りをするようになったことだ。

「今日もおつかれさま。」

「週末まで乗り切ろう。」

他愛のない、もしかすると他人行儀な内容だがお互いの存在を確かめ合うという点では毎日1通のメールでも十分な効果がある。

しかし確実に近く感じる大輔の存在は有紗の中でも不透明なものだった。

首を傾げつつも日々を過ごし、そして金曜日には連絡があり互いの週末情報を交換し合うのだ。

付き合う前に約束していたものもあって土日とも一緒に過ごすわけじゃない。しかし予定がない日は極力互いの部屋にいくか一緒に出かけるなどをして、恋人らしい関係を作っていた。