私は彼に愛されているらしい2

「うんー?ハッキリしないな!」

「つまりはですね、大輔にそうだと言われて、そうかもって思ってたら、いつの間にか付き合うことになったんですよ。」

あえて体を重ねたことは伏せて有紗は困惑した様子を見せながら事のあらましを告げる。

これを言ってしまえば絶対にややこしい状況になることは間違いない、口を割る訳にはいかないのだ。

「それも悪くないかなって思ったんで、感覚に任せてしまいました。」

「なんだかねー。ま、当人同士で感じるものがあるんだったらそれが一番かもね。」

「はい。」

とりあえずの報告を終えたら、早くこの話題から遠ざけたくて有紗は強引に締めくくりの笑顔を見せた。

終われ。

この話よ、早く終われ。

笑顔の裏でひたすらに念を送る。

だけどまだ腑に落ちない様子の舞に胸中は穏やかではなかった。

お願いだから終わってくれ。

これ以上の心臓に悪い待ち時間は表面上の笑顔も剥がれてきそうで怖い。

「あ、私も報告があります。」

有紗の念が勝ったのか、悶々とした空気を晴らすように控えめに挙手をしながらみちるが恥ずかしそうに言い出した。

色を付けるなら薄紅色、そんな空気に包まれて有紗の刺々しい感情が緩和されていくのが分かる。

「え?なになに?」

「なんですか?」

みちるから感じる雰囲気が間違いなくいい知らせだということに気が付いた有紗と舞は期待しながらその時を待った。

何となく予想がつくけど早く正解を聞きたくて仕方がないのだ。