side:龍騎 『・・・はい、凜華です。木藤・・・?』 数時間ぶりのはずなのに、長らく聞いていなかったように感じた凜華の声に、思わずほっと息を吐く。 起きていてくれてよかった。 少し前に電話した時は留守電になったから、もしかしたら、今日はもう会えないかもしれないと覚悟はしていたからかもしれない。 必要なものしか持っていないので、当然タオルなんかは持っていない。 撥水性のある上下を着て来たが、濡れるものは濡れるらしい。 雨の中を走ったのはいつぶりだろうか。