そのまま、暫く鏡に写っている自分をぼんやり眺めてから、静かに部屋を出て一階へ降りる。 リビングから聞こえてくる声に耳を傾けていると、ふいにその声が止んだ。 不自然な沈黙であるにも関わらず、私は何も考えることなくリビングのドアを開けた。そして。 「──桃華に何してるんだっ!?」 ふるふると震えている桃華をソファーに押し倒して、迫っている男を見て、私は彼女の上からそいつを蹴り落とした。 「りっ、凜華ちゃんっ」 桃華が私に気が付いて、素早く抱き付いてきた。身体はまだ震えている。