雨は止まない。まるで消えない跡形を隠すために、全てを無くしてしまうためなのだろうか。 『ミー』 「・・・自信ないよ、ミライ」 『ミィー・・・?』 主人の腕に抱き抱えられながら、仔猫は彼女を不思議そうに見上げた。 いつもどこかボーッとしている主人の、最近よく見せる表情にはなかった悲しみ以外を見たのは、初めてのことだった。 ──仔猫は知らない。 主人にそんな顔をさせているのが、彼女にとってどういう存在の者なのか。 静かに降り注ぐ雫の音を聞きながら、少女と仔猫は雨に沈んだ町を見つめた。