side:凜華 今のままでいいなんて、私は、一度も思ったことなんて無かった。 真っ直ぐに歩けなくても、自分の足で歩いて行かないと駄目なんだって。 だけど、私は怖い。強かったはずなのに、結局それも過去の栄光であったにすぎない。 私はただ、過去に縋っているだけ。『あの日』は二度と還ってこないのに。でも。 「・・・木藤は分かる?」 ──私を庇うようにして、アイツは銃に撃たれて血に染まった。