動かなくなってしまった凜華に歩み寄りながら、言うべき言葉を放つ。 「凜華」 「・・・・・」 「──お前は今のままでいいのか?」 「・・・・それは──」 小さな声が、雨音に包まれた部屋にやけに大きく響いたような気がした。そして動揺と困惑が、手に取るように分かった。 凜華のすぐ傍まで行くと、彼女の隣にいたミライがすっと立ち上がり、俺達から離れていった。 後を視線で追えば、先程通ったネコ窓から部屋を出て行ってしまった。