「島でかなのピアノ聞いた時から、考えてたんだ。才能が埋もれていくのももったいないし、これがかなの仕事になっていったらすごくいいなって」


TAKAHIROが、そんな時から花奏のことを考えてくれていたと分かり、花奏は嬉しかった。


「才能なんてほどじゃないけど、好きな事が活かせれるの、すごく嬉しい」


TAKAHIROの提案によって、今まで霧に覆われていた花奏の心の中が少しづつ晴れて行くような気がしてきた。


「かな、夢がないなんて言ってたけど、ピアノから色んな夢が広がるんじゃない?」


「そうだね。私が今までいた狭い世界から抜け出さなきゃね」


TAKAHIROには花奏の瞳が輝いて見えた。