朝は昨日の疲れが嘘のように

気持ちよく起きることができた。




「…そういえば今日転校生か!」


「やだ、真由美!忘れてんの?! ねぇ、どーする?イケメンだったら!!」


理花が目を輝かせて言う。



そんな理花の言葉を遮るように先生が言った。



「言ったとおり今日から転校生がくる。
楢崎(ならさき)、入れ。」




…楢崎。


違う、あいつじゃない。


名前が違うことに安心した。


転校生として再会するなんて


確率はうんと低いのに



安心してる自分がいたの。





ガラッ









……うそでしょ?





「キャーッカッコいいー!!」

「やばいー!超いけめん!」



女子の歓声が廊下まで響く。

男子も息をのむほど顔が整っていた。


「楢崎、自己紹介しろ。」


「……楢崎涼介です。よろしく。」