綾香ちゃんはそんな私たちの様子を少しハラハラして見つめている。


大丈夫だよ。

"おねえちゃん"はこんなことじゃ怒ったりしないよ。


「でも、綾香は喜んでるみたいだし、わざわざ持ってきてくれたわけだから、一応お礼を言っておくわ」


むむむむむむ……耐えろ!陽菜。


「はははっ、ありがとう」


乾いた沈黙が流れた後、突然ドアが開いた。


「やっぱここにいたのね。風花ちゃん、検査始まるからおいで」


ドアを開けたのはりっちゃんで、その言葉に風花ちゃんは渋々という表情で腰掛けていたベッドからぴょんと飛び降りた。


そうか。
彼女も難しい病気だからここにいるんだ……。


検査という言葉が私に、ここが病院であることを思い出させた。