──中学に入学してすぐ、私は吹奏楽部に入部した。 それまでは、私にとって彼は隣のクラスの遠い存在だった。 『陽菜、隣のクラスにかっこいい子いるらしいよ!ちょっと見に行こうよ』 『えー別に興味ないって』 『いいから、いいから!』 小学校からの友達に無理やり引っ張られて廊下からこそっと隣のクラスを見渡す。 『あの窓際の前から2番目の──』 友達の言葉は途中から聞こえてこなかった。