いい話じゃないどころではない。

これから私はあなたに死刑宣告みたいな言葉を言うんだよ。


私たちはとりあえず、人が来なさそうな教室に入り、各々少し距離を取って座った。


「あのね……」


「木下さんのこと?」


さっきとは違って真剣な表情の彼を見て、私は意を決して話し始めた。

和希くんとのルームシェアのことを除いて、出来るだけ事実を正確に伝えた。


「──そういうわけで、どうやら私たち失恋しちゃったみたい」


自分の言葉なのに、どこか遠くの国のニュースみたいに聞こえる。